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執筆者の写真mata-ne

まりもの日記「必死に生きる-初めての狩猟現場-」

更新日:2022年1月26日


(今日あったこと、私が感じたことをそのまま書いているため気分を悪くしてしまう文章があるかもしれないので、ご了承ください)


「シカがかかったぞ!!!」という言葉で起きた今日。

眠い目を擦りながら出てきたら、シカが罠にかかったから取りに行くぞ!と言われ大急ぎで準備をし罠がある場所に軽トラで移動。

mata-neに来る前から狩猟に興味があることを大ちゃんとたんたんに伝えていたので、mata-neに来てからは大ちゃんが罠の見回りに連れて行ってくれたり、罠を一緒にかけたり、イノシシの解体を手伝わせてくれたりしていました。

しかし、目の前で命が絶たれる現場に出くわすのは今日が初めてで、とてもドキドキでした。


現場に到着してからすぐに目に入ってきたのは、メスジカがちょこんと座っている後ろ姿。お尻の模様がはっきりと見えました。


「え、、、。なんで罠にかかってしまったのにこんなに冷静なの?」

「なぜ座って静かにしているの?」

というのが第一印象です。


しかし、私と大ちゃんが近付いていく音が聞こえた瞬間、

立ち上がって鳴き叫び、必死に生き延びようと脚をバタバタさせていました。


よく見ると、そのメス鹿の左後ろ脚(罠がかかっている脚)は皮が剥がれ落ちていて、骨が剥き出しの状態になっていました。罠がかかってしまった左後ろ脚をどうにか外そうとずっと頑張っていたのだと思います。


そんなことを思いながらシカに近づいていく間、大ちゃんがぼそっと言いました。

「必死って、必ず死ぬって書くんだよ」


「必ず死んでしまうくらいの危機感を体験して初めて必死になるんだよ。これが本当の必死だよ。」


このシカはもしかしたら、どんなに必死にもがいても取れることのない罠を知って、死を覚悟して静かに座っていたのかもしれない。

脚がもうぐちゃぐちゃだったので、動くのがもう限界だったのかもしれない。

だけど私たちが来てから、最後の力を振り絞って必死に生き延びようとしていました。


そんなシカを目の前にして感じたのは、

ショックや可哀想、ごめんねという言葉よりも


「生きるってこういうことなんだ」という尊敬の感情でした。

普段使っている尊敬という言葉よりも、もっともっと大きくて、重たくて尊いものです。

「生きるのに必死」

これを感じながら生きている人はどれくらいいるんだろう。

「自分の命を全うすること」

これに全力になれている人はどれくらいいるんだろう。

「自分の命は自分だけではない」

ことをしっかりと認識し、自分の命を大切にできている人はどれくらいいるんだろう。


そんなことを考えながら、

目の前の命が絶たれていく間、とにかく目の前にいるシカに「有難う」と「あなたの命を無駄にせず、自分の命を大切に、必死に生きていくね。」

そんな気持ちでいっぱいでした。


その後の解体や生肉作業の間もずっと、感謝の気持ちを込めながら、丁寧に丁寧に行いました。

命を経ってから4時間後、そのシカの命を有り難くいただきました。


日本人は、食事を食べるときに、手を合わせて「いただきます」と言います。

私自身、食べ物を大切にすること、感謝すること、絶対残さないということは小さい頃から常に心がけて、いただきますと言ってきましたが

今日のことを経験した上で、今後付け加えたいのは、


「自分は今後こういう風に生きていきます。だからあなたの命をいただきます。」という気持ちです。相手と自分が一つになった上でどのように命を全うするか、しっかりと意識した上で命をいただこうと思います。


今日は、

「自分の人生や命は自分だけではなく、たくさんの命に支えてもらっていること。

だからこそ、自分の命を全うしていくということは、自分を支えてくれている何億個もの命を全うしていくということ。生きるということ。」


そんなことを身近に感じることができた素敵な日でした。

生きるってとっても素敵なことですね


今日も読んできただき有難うございました!

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